クラブ活動や部活動において「テスト休み」を設けるのか、それとも設けないのかは意見が分かれるところです。
今回はクラブ活動において「コーチがテスト休みをとってくれない」ことに憤りを感じている保護者から、「どうしたら良いですか?」という相談をいただいたので、私の意見を書いていきたいと思います。
コーチがテスト休みをとってくれない。学業が疎かになってもいいと思っているんですかね?
お子さんのクラブ活動において、テスト前の休みがないことに憤りを感じている保護者の方も少なくないと思います。特に、学業が大切だと考える親にとっては、「テスト休みを設けて欲しい」というのは、至極当然の願いです。
それにもかかわらず、コーチが「テスト休みは必要ない」と言い切ることに対して、不安や苛立ちを感じるのは理解できます。一方で、コーチが「テスト休みは必要ない」と思うのも理解できます。
テスト休みがないからといって学業を疎かにしているわけではない
まず、保護者の皆さんが感じている不安や憤りは当然の感情です。
子どもたちの学業が未来に与える影響は非常に大きく、良い成績を取ることで進学や将来の選択肢が広がるという現実があります。特に、テストはその成果を測る重要な機会ですから、その前に十分な時間を確保して勉強に集中させたいという気持ちは、誰しもが抱くものでしょう。
また、子どもたちが部活動やクラブ活動で忙しい中、テスト前の数日くらいは一息つかせ、勉強に集中できる時間を作ってあげたいと考えるのも理解できます。部活動と学業を両立させることがどれだけ大変か、親として心配になるのは当然のことです。
習慣を身につけることの重要性
一方で、コーチが「テスト休みは必要ない」と考える背景には、長期的な視野で子どもたちを見守り、育てたいという思いがある可能性があります。
もしかしたらコーチは、短期的にテスト前にだけ勉強時間を集中させるのではなく、普段から勉強と部活動を両立できるような習慣をつけさせることを目指しているのかもしれません。
日々の生活の中で時間管理能力を養うことは、部活動だけでなく、学業、そして将来のキャリアにおいても大きな強みとなります。
テスト前に特別な休みを取らなくても、普段から少しずつ積み重ねた勉強の習慣が、テストで成果を出すための鍵だという考え方です。
こういった取り組みは、時間管理能力や自己管理能力を育て、勉強と部活動をバランスよく両立させることができる習慣を身につけさせるだけでなく、非認知能力の向上にもつながります。
日々の努力を積み重ねることで、自己コントロール力や忍耐力、問題解決力が自然と育まれ、これらのスキルは将来、学業やキャリアにおいても大きな強みとなります。
良い習慣づくりをサポートする
私も子どもたちに良い習慣を身につけさせることはとても大切なことだと考えています。
テスト前に部活動を休んで一気に勉強するというスタイルは、短期的には効果的に思えるかもしれませんが、長期的な視点で見たとき、持続可能な学びのスタイルとは言い難い面もあります。
例えば、普段から1日30分でも、定期的に勉強する習慣がついていれば、テスト前に焦ることなく、着実にテストに向けて準備が進んでいきます。また、部活動も続けながら時間をうまくやりくりすることが、将来の生活でも役に立つスキルとなります。
もちろん、これは簡単なことではありません。特に子どもたちはまだ時間管理のスキルを十分に持っていない場合が多く、最初のうちは戸惑いや負担を感じることもあるでしょう。そこで、親や教師、コーチがサポートすることで、少しずつ習慣が形成されていくのです。
柔軟な対応が必要な場面もある
ただし、これは一律に「テスト休みは必要ない」と言い切れるわけではありません。子どもたち一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応が必要です。学業で特に困難を抱えている場合や、体調や精神的なストレスが強い場合などには、休みを取ることが子どもにとって最適な選択肢であることもあります。
スポーツを本格的にしていて、競技のために時間を費やしている子どもにとっては、部活動の時間もまた大事な要素です。そういった子はテスト休みをとらずに、競技との両立ができるように働きかけることが必要かもしれません。
一方で、本格的に競技スポーツを行っていないのであれば、無理に部活やクラブ活動を行う必要なないのではないかと思います。そのあたりは、組織と個々の目的によるのかもしれません。
コーチとしても、子どもたちが個別に抱えている問題や課題に耳を傾け、適切な対応を取ることが望まれます。また、保護者の皆さんも、単に「休みを取らせるべきだ」という主張だけでなく、子どもが普段から無理なく学習できる環境づくりに協力することが、子どもの将来にとって大きな意味を持つかもしれません。
結論:未来を見据えた習慣づくりを目指して
最終的には、子どもたちが将来にわたって成長していくためには、普段から勉強とクラブ活動の両立を図る習慣を身につけることが最も大切だと考えます。
そのため、テスト前に部活動を休むという一時的な対策よりも、日常の生活の中で時間を管理するスキルをサポートし、子どもたちが長期的に自分の力を発揮できるような基盤を作ってあげることが重要です。
しかしながら、状況に応じて柔軟な対応が必要な場面もあるため、親とコーチがしっかりコミュニケーションを取り、子どもにとって最適な環境を提供することが求められます。子ども達の未来を見据えた習慣づくりを共に考えていきたいものですね。
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